成績が伸びきらない子は、たいてい我慢・忍耐という力が弱い。
正しく結果につながる学力を身に着けるには、すぐに結果に出ないような勉強もしなくてはならない。
面倒で遠回りと思われるような方法で、地道にコツコツと、結果が出なくてもめげずに我慢強く続けなければならない。
我慢・忍耐という能力が弱いと、どうしてもすぐに結果を求めたがる。
例えば数学で、難度は高いけれどある問題がほぼ確実に出題されるとき。
我慢・忍耐が備わっている子は、時間をかけて理解して身に着けるまでやるという粘り強さがある。
一方そうでない子たちは、難度が高いと早々に諦めるか、やり方だけ丸覚えで結果だけ得ようとする。
そういう子たちがよく言っているのが「勉強のやり方がわからない」ということ。
その真意は「楽に結果の出る勉強のやり方がわからない」なのである。あるわけがないことに早々に気づくべき。
理解できるまで粘り強く我慢すること、覚えられるまで忍耐強く繰り返すこと。それだけでその子の結果は必ず変わる。
私は、社会人も含めて我慢・忍耐が弱い人間が増えてしまったように思う。
なんだかんだと言い訳をして、いろんなものから逃げてしまう人間は明らかに増えたと感じている。
自己実現だの自分には合わないだのブラックだのなんだのと、平気で職務を放棄する人間が社会人が増えた。
「いろいろ考えたんですけど…」とか何とか言って、無責任に辞めいろいろなバイトを転々とする大学生が増えた。
反抗を真っ向から受け止められず、成長を信じた粘り強い対応ができず、子どもの言いなりになる保護者が増えた。
辞める・逃げる・放棄する。大人が簡単に背中を見せてしまうようになった。
こんな大人たちが、子どもが何かを「辞めること」「逃げること」「放棄すること」を許可してしまうと、間違いなく将来に影響する決定的な悪癖となる。
辞めればいい、逃げればいい、放棄すればいいと覚えてしまえば、もうあらゆることを「全うする」ことができなくなる。
「全うする」ことは大事なことなんじゃないだろうか。
「全うする」ことを教えなければならないんじゃないだろうか。
そのためには、まず子どもの周りの大人が、我慢強く、忍耐強く、粘り強く、折れることなく、妥協することなく、成長を信じて付き合っていかなければならない。
私は塾生たちに、我慢・忍耐を教えたい。私は塾生たちに、我慢・忍耐を身につけさせたい。
私は塾生たちに、我慢強く、忍耐強く、努力や継続が必要なあらゆることを全うさせたい。
必ず将来に活きる力となり、将来に活きる経験となるはずだ。その力を養い、その経験をすべきなのは今。
だからこそ、私は誰より、我慢強く、忍耐強く、粘り強く、折れることなく、妥協することなく、成長を信じて塾生たちに付き合っていく。