受験生の京阪神私立入試まで2ヶ月を切っている。
直前は暗記科目が伸びやすいが、さすがに今から参考書を1から読み返して勉強している時間はない。
ということで、過去問などの選択問題を利用した社会の勉強法について書いておこうと思う。
2013年大阪府(後期入学者選抜)の問題。
12世紀後半から13世紀前半にかけてのわが国のようすとして正しいものはどれか。一つ選び記号を書きなさい。
ア 承久の乱が起こった イ 応仁の乱が起こった
ウ 南北朝の動乱が起こった エ 島原・天草の乱が起こった。 答え ア
この問題において○つけをしたとき、正解だったときに○をして終わりにしている or 不正解のときに×をして正しい解答を覚えて終わりにしている場合、そのままではいくらやっても得点は伸びない。
まず意識しておかなければいけないのは「過去問と同じ問題は出ない」ということ。
過去問等は出題傾向を確認し、その出題形式に慣れるためにやるものである。
入試において過去問でやったのと全く同じ問題というのは、99%出題されない。
だから、過去問の問題と解答を覚えることは入試の得点を上げる結果にはならない。
さて、選択問題において「わかる」とは「分けることができる」ことである。
「わかる」とは「これは正しい」「これは間違い」ということを、正確に分けることができることである。
この問題の場合、「承久の乱」・「応仁の乱」・「南北朝の動乱」・「島原・天草の乱」について、1つでもよくわからないものがあれば「正確に分けること」はできないので、「わかる」にはほど遠い。そして、「12世紀後半から13世紀前半に起こったできごと」をひとつも覚えていなければ、わかっていないも同然なのである。
承久の乱…鎌倉時代、1221年に後鳥羽上皇が鎌倉幕府を倒そうとして起こした反乱
応仁の乱…室町時代、1467年から10年続いた8代将軍足利義政の跡継ぎをめぐる争い
南北朝の動乱…室町時代、1336年から朝廷が南朝と北朝に分かれて対立していた時代
島原・天草の乱…江戸時代、1673年、キリスト教徒を中心とする農民の一揆
もちろん年代を覚えていれば1番いいが、年代を覚えるのが苦手な子は少なくないだろう。
その場合でも、せめて時代と出来事の歴史的背景さえ理解しておけばたいていの答えは出せる。
この問題については、「
12世紀後半から13世紀前半はおよそ何時代か」がわかれば正確に答えが導ける。
12世紀後半から13世紀前半は1150年〜1250年の100年以内で考えればいいので(これがわかっていないならそこも勉強し直し)、その期間内で時代を表すような覚えやすい年代と言えば「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」だろう。(今は鎌倉幕府そのものの起こりは1185年と考えるらしい。源頼朝が征夷大将軍に任命されたのが1192年。)要するに、12世紀後半から13世紀前半は、平安時代の終わり〜鎌倉時代の始まりであり、答えは必然的に「ア」。
ここで、話を戻そう。1から参考書を読み漁っている時間はない。だからこそ、必要な勉強に時間をかけたい。
問題を解いて「合ってた」「間違ってた」で終わっていては、何百問解いても入試当日の得点がろくに上がらない。
だから、問題に出てくる言葉で正確にわからないものがあれば、たとえ問題に正解していても全て調べて覚えなおす。
そうすれば、多少時間はかかるが、実際に問題として出題される実践的な言葉を中心に勉強することができる。
この勉強法において、選択問題は復習のための最高の材料になる。
なぜなら、たいていは4つの選択肢に1つずつくらいは復習すべき言葉が入っているから。
この勉強法で選択問題に取り組めば、選択問題1問につき4つの復習ができる。25問やればもう100!!!
上記の問題でも、この勉強法なら「
12世紀後半から13世紀前半に承久の乱」だけでなく、「応仁の乱」・「南北朝の動乱」・「島原・天草の乱」について知識の確認ができるわけである。
さらに、選択問題はきちんと分けて覚えないとゴチャゴチャするものが並べられているのがいい。
例えば「浄土真宗を開いたのは誰?」という問題に、
「ア.インド イ.親鸞 ウ.ルフィ エ.安倍晋三」なんて選択肢は用意されない。
だいたいは「ア.最澄 イ.親鸞 ウ.一遍 エ.法然」となり、
誰が何宗を開いたかをわかっていなければ正確には解けない。
逆に言えば、それをキチンと勉強し直せば、「キチンとわかる大チャンス」なのである。
せっかく時間をかけるなら、効果的に時間を使いましょうね。頑張れ受験生!