「自分の思ったとおり、感じたままに素直に表現すればいい。」
はっきり言いますが、そんなわけはないでしょう。
きっと「空気を読みすぎる傾向」に対しての言葉だと思いますが、ほんとに人間がみんな「自分の思ったとおり、感じたままに素直に表現」すればろくなことにはなりません。
特にネガティブな感情というのを素直に表に出していればいいとは到底思えません。
例えば、「しんどい」。
部活動で疲れたとか体調が悪いとかいろいろ事情はあるのでしょうが、だからといってひたすらぐったりすることでそれを表現されても、周囲の人間は気を遣うばかりでいい気分にはなりません。
最初は「大丈夫?」と心配してくれたとしても、だんだん「そんなに我慢もできんくらいならもう帰れよ」なんて思われてしまうでしょう。
例えば、「イラつく」。
友達とケンカしたとか親や先生に叱られたとかあるでしょうけど、そのイライラを撒き散らされても周囲にとってはいい迷惑にしかなりません。
これについては最初から「何なんあれ。うっとうしい。ほんまどっか行って欲しい。」くらいにしか思われません。繰り返せば嫌われるのみです。
「しんどい」なら、我慢をして普通に過ごすか、しっかりと休むかのどちらかです。
「イラつく」なら、我慢をして普通に過ごすか、その原因を取り除くかのどちらかです。
我慢もできず、解決のための行動もせずに、ぐだぐだとネガティブな感情を表出し続ければ、必ず自分自身が損することになるでしょう。嫌な気分にさせて、自分の周囲から人が離れていくだけです。
もちろん、何でもかんでも我慢することがいいと言っているのではありません。我慢してはいけないこともあります。
ただ、一人で生きていくのでないのであれば、周囲とともに気持ちよく過ごすための配慮は必要だということです。
それすらなしに「自分の思ったとおり、感じたままに素直に表現すればいい。」というのは成立しません。
こんなこと「当たり前だろっ!」なんて思われるかも知れないですが、自分自身では気づかないところでうまくやれてなかったりするものです。
中学生なんてのはなおさらですね。まぁ、ここは中学生が教科のお勉強をするための塾なんですが、私はそういうこともキチンと中学生たちに伝えていきます。